チェンバロ奏法について

 ルネサンス、バロック時代のチェンバロ奏者はオルガンやクラヴィコードも弾いていました。楽器のメカニズムとしては全く異なるチェンバロ、オルガン、クラヴィコードが弾けたということは、汎用性のあるテクニックを身につけていたということです。(下は左からオルガン、クラヴィコード、チェンバロの演奏風景)

  

 通説に反するかもしれませんが、チェンバロを習得するのに、かなりの程度ピアノで訓練することは可能だと思います。ただ、一般的には体に無理をしいるピアノ奏法がよく見られるので、その場合は、さまざまな問題を生じるでしょう。いちばん困るのが硬い体で力まかせに弾くことで、鍵盤がごつごつ音を立て、音が重くなるばかりでなく、ひどい場合には楽器そのものを痛めてしまいます。
 逆に柔らかい体と指の繊細な感覚をもった人なら、ルネサンス・バロック音楽の演奏習慣を知って、楽器に慣れる時間を少しとれば、ピアノとチェンバロの両立は可能でしょう。
 ピアノ既習者の方には、せっかくなのでピアノ奏法を少し見直してチェンバロ、オルガン、ピアノの両立を可能にする身体感覚を身につけてもらえればと思います。

参考 スカルラッティのソナタK380をチェンバロで弾いたもの(スコット・ロス)とピアノで弾いたもの(ホロヴィッツ)がYou Tubeで見つかりましたので、参考までに下に載せておきます。(ロスの演奏、冒頭が切れています)




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